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IT(たまにビジネス)に関する記事を読んで、考えて、使ってみたことをまとめる場。

影響力の武器 1. 返報性

ロバート・B・チャルディーニ博士の『影響力の武器』を読んでいるのですが、良書だと思うので内容をまとめたいと思います😎

人間は固定的動作パターンをとることが多々ある

固定的動作パターンとは、信号刺激に対してとる決まった行動パターンです。

例えば、依頼するとき「〜ので」とつけた方が承諾した方がいいと思う、値段が高いと価値があると思う、値段の高いものを見た後に安いものを見るとより安く感じる(知覚のコントラスト)などがあります。

なぜ固定的動作パターンをとるかと言うと、情報の溢れる複雑な環境に生きる私たちは、時間や頭を効率的に使う必要があるからです。多くの場合、固定的行動パターンによる選択は正解なのです。

この固定的動作パターンのうち影響力の大きい6つをCLRASSの原理と言います。

CLRASSの原理

クラッサスと読みます。
以下の頭文字を取っています。

Consistency:一貫性
Linking:好意
Reciprocation:返報性
Authority:権威
Social proof:社会的証明
Scarcity:希少性

CLRASSの原理をうまく利用できると、相手にYesと言わせる承諾誘導が行えます。
今回は返報性(Reciprocation)を取り上げます。

返報性の原理とは、施しを受けた場合お返しをしなければならないという心理

人は他人から何らかの施しを受けた場合に、お返しをしなければならないという感情を抱くが、こうした心理をいう。この「返報性の原理」を利用し、小さな貸しで大きな見返りを得る商業上の手法が広く利用されている。
返報性の原理 - Wikipediaより

「Give and Take」という言葉が表す通り、私たちは恩を受けたら返さなきゃいけないと思っています。
そのお陰で、相手から何ももらっていなくても安心して相手に与えることができる、そんな社会が成り立っているのです。
問題があるのは固定的動作パターンを悪用する人間であって、固定的動作パターン自体でないことに注意が必要です。

返報性は実験によって証明されている

デニス・リーガン博士が行ったこんな実験があります。

見知らぬ二人の被験者を集め、二人一組で美術館を鑑賞し絵画を評価してもうらう実験を行いました。
しかしこの実験は実はフェイクで、片方の被験者は実験者の助手なんです。

被験者は2つのグループに分けられます。
A: 実験の休憩時間に助手がジュースを2本買ってきて、1本をもう一人の被験者にご馳走する
B: 実験の休憩時間に助手は自分の分のジュースだけ買ってくる

そして実験が終わった後、助手はもう一人の被験者に「自分は宝くじを売らなくてはいけない。多ければそれにこしたことはないが、いくらか買ってくれないだろうか?」と頼みます。

結果、ジュースをご馳走された方(A)がされなかった方(B)より、購入率が2倍も増えました。

ちなみに宝くじ購入に助手への好感度は関係ありませんでした。
また、この返報性で最初に受け取るものは、受け取る側がほしいものである必要はありません。つまりこの場合、真の被験者がジュースを求めている必要はないのです。

返報性の原理を利用した例として、ドア・イン・ザ・フェイス・テクニックがある

譲歩的依頼法とも言われます。
相手にお願いを拒否されてから譲歩した依頼(本来の依頼)をすると、本来の依頼の承諾率を上げられるテクニックです。

例えば、「3,000円のコンサートチケットを買ってくれませんか?」と頼み、断られたら「では、1,000円の映画チケットはどうですか?」と聞くと、3,000円の話をしなかった場合より相手の承諾率が上がるというものです。

なぜ承諾率が上がるかというと

  1. 相手が3,000円のチケットから1,000円のチケットに譲歩してくれたので、自分も譲歩で返さなくてはいけないと思う(譲歩=与えられたものという認識)
  2. 3,000円と1,000円との間でコントラストの原理が働き、1,000円がとても安く感じる(コントラストの原理とは、最初に提示したものと次に提示したものの差が、対比によってより大きく見えること)

からです。

仕事で頼み事をするときに使える

例えば

  • 仕事を依頼する時にチョコやジュースをプレゼントしてからお願いする(これは何の意図もなくやっていたw むしろ依頼しよう→お願いを聞いてくれるだろう→お礼をしなきゃという思考回路で私が返報性の原理の受ける側になっていたのだろうか
  • 相手の話を愚痴とか相談とかを聞いてから、自分の相談をする
  • 自分の得意分野で仕事を手伝ってから、他の仕事をお願いする
  • 大きめの開発依頼をして拒否されたら、それを細分化したタスクをお願いする

などで使えると思います。
効果があったらまた記事を書きます。

参考

影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか | ロバート・B・チャルディーニ, 社会行動研究会 |本 | 通販 | Amazon